意外と知らない!?看護師の転職理由ランキング

この記事のまとめ(結論)

看護師はとても人気のある職業ですが、環境の変化なども含めて転職する人も多いのが現実です。人気の職業なのになぜでしょう?この記事では、他の看護師さんが具体的にどのような理由で転職をするのか?詳しくまとめていますので、それらの意見を参考にしつつ、今後の転職活動にお役立ていただければ幸いです。

看護師という職業について

病院やクリニックでは多くの看護師が活躍しており、特に女性の活躍は目立っています。


看護師は女性の仕事としても古くから人気が高く、今でも高校生で人気第2位にランクインするほど、憧れる人も多い職業です。そして高収入で、かつ安定収入が期待できたり、年齢に関係なく活躍できる仕事ということも人気の理由のようです。


ただ、そんな人気の職業でも理想の職場を求めて転職を行う人も少なくありません。
なぜ、せっかく入社したにもかかわらず短期間で職場を変わりたくなるのか、その理由も知っておきたいところです。


※ソニー生命保険株式会社の調査参照。
高校生800名を対象にインターネット調査。期間は2017年3月21日~3月27日。
参考 http://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_170425.html

看護師の転職理由(他の施設への転職)

2010年の厚生労働省の調査によると、看護師が現在の職場で働き続けたいと答えた割合は64%と比較的高い数値になっています。次に他の施設で働きたいという割合が17%。看護師以外の業務をすると答えた方が3%。(他は未定と、仕事をしない、無回答)
このデータから、84%が今後も何らかの仕事をして働き続けるということが見て取れます。


その中で、転職を考えている方が17%。その数値が多いか少ないかは難しい部分がありますが、その転職の動機が下記の通りです。


この結果をみると、責任の大きさ(やりがいと紙一重の部分もありますが)と、労働時間に対して、給与や休暇が見合っていない傾向があるということが見えてきます。


<転職の理由 上位の5位>

1位 他施設に興味がある。34.1%

2位 給与に不満がある。31.1%

3位 休暇が取れない。取りづらいため。24.5%

4位 超過時間が多いため。22.3%

5位 責任の重さ、医療事故に不安がある。17.7%


※2010年の厚生労働省の調査参照。
主な理由は3つまで回答としているので、トータルのパーセンテージが100%ではありません。
参考 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh-att/2r98520000017cnt.pdf


それでは、その上位の理由について詳しく見ていきましょう。
1位の他施設への興味については、他の理由を含んでいるケースが考えられるので、2位から代表的な理由を見ていきましょう。

2位 給与に不満がある。31.1%

理由で一番多かったのが給与への不満です。


まず、看護師の平均年収は519万円です。(平成27年度人事院統計書調べ)
そのうち男性は平均462万円、女性が平均470万円と、女性の方が高いのが現状です。
一方で、日本全体の平均年収は420万円ですが(平成27年国税庁調べ)男性が521万円、女性が276万円と男女で大きな差があります。


女性だけで考えると、200万円以上の年収差があるので単純に給与だけで考えるとこんなに不満があるのが少し考えづらいかもしれません。
その理由は、他の要因とも関わってくるので後ほど説明致します。

3位 休暇が取れない。取りづらい。24.5%

次に多かったのがこの理由です。


どの医療機関も看護師は不足傾向にあり、休みも取りづらい傾向にあるようです。
当社に相談に来る看護師さんは、総合病院でご勤務されている方が多いですが皆様かなりの激務で、休みはもちろん、有休なんて消化できないという方がほとんどです。シフトも新人のうちは提出がしづらく、なかなか休み希望がかなえられないというケースも多いようです。

4位 超過時間が多いため。22.3%

当社に相談に来るケースで最も多いのが、この勤務時間と残業です。


勤務条件はかなり過酷で、朝8時から夜の23時までご勤務というケースもざらでその間の残業代も出ないというような、労働環境の悪さが「意外にも目につく」のが現状です。


2位に挙がっていた「給与が少ない」という不満は、残業代が足りない、もしくは残業代が全くでないといようなことが、重なって不満になっているケースが多いようです。


ハードワークなので、若い世代では結婚や子育てに影響が出たり、40代、50代になるとご自身の体力の衰えや親の介護などの問題で、労働環境が合わなくなるケースが見受けられます。それゆえ、よりご自身の都合に合った職場を探したいと考える人も少なくないのです。

7位 人間関係が良くないため

この問題も実に深刻な問題です。


パワハラやセクハラは言語道断ですが、常に患者様や職員の愚痴を言ってきたり自分のやりたくない仕事を無理やり押し付けてきたり、問題行動を起こす方が周りにいると、せっかくの働く意欲がそがれてしまうのは仕方のないことです。


理想は、直属の上司や周りのスタッフに悩みを打ち明けて解決してもらうことですがなかなか相談しづらい場合も実際にはあるようです。
実際に相談を受けていて、一番良くないと感じるのが、一人で抱え込んでしまうことだと思います。パートナーや友人に相談してみて、話を聞いてもらえるだけでも少し発散できますし、根本的な解決に向かう助言をもらえるケースも多くあります。


勇気をもって相談してみましょう。

自分に合う求人は必ず見つかります。

今の職場で継続できることが一番良い選択かと思いますが、思い切って転職しようと考えてみると、意外にも自分に合った職場は見つかるものです。


全国には多くの医療機関が存在しますので、じっくり比較して選べばより良い待遇で雰囲気の良い職場で活躍できることも十分期待できます。


仕事を探す際は給与や待遇の面はもちろん重視したいですが、人間関係などは実際に職場に入ってみないと知ることはできませんので、評判などもよく調べておくことをおすすめします。転職エージェントなどを利用するとそうした部分も調べてもらえる場合もありますので、相談してみると良いでしょう。


転職を成功させるためには、書類の書き方や面接対策もしっかりと行っておきたいですが離職の理由を聞かれた際もネガティブなものにならないよう気をつける必要があります。


面接での受け答えの際も、ポジティブな答えを行えることが大事ですので、どのようなことを聞かれるかも予測して対策を考えておきましょう。
このあたりは、またの機会にコラムにまとめてまいります。

アドバイザー
弦巻千草(つるまきちぐさ)

いかがでしたでしょうか?
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それでは、今後ともナースのお仕事(神奈川版)をよろしくお願い致します。